運転は好きだけど『2台の車で走る』というのがどうやら下手みたい、ということがわかったこの夏。先月、写真家のSくんファミリーと三浦へ素潜りにいった。その時、わたしが先導してSくんがついて来る、ということがあった。付き合いの長いSくん、自分勝手なわたくしの性格をよく熟知しているのでしょうか。出発前に、「ことりさん、一応場所を聞いておいていいですか?」とGoogleマップ片手に聞いてきた。その失礼のない聞き方、配慮と心配り、さすがだなあと思いながら目的地を伝える。「その前に、このローソンに立ち寄るからね」、とも伝える。いざ車を走らせると、速攻でパーキングの出口を間違い無駄にぐるぐるしてから出発。その後、伝えていたコンビニとは違うコンビニに気まぐれに立ち寄ったりと、やりたい放題のオレ様。できるSくんはそれでも完璧についてきてくれた。運転うまいんだね。
昨日は朝から仕事をして、途中、中抜けで茅ヶ崎へ。友人が『LOGGER』にラグを見に行きたいというので、アテンドする。ゴルフ場で待ち合わせをして先に三人でランチ。その後、LOGGERの末綱(すえつな)さんの先導で、海側から山側の茅ヶ崎へ移動。高速使ってビューンと移動。先導じゃないのね、ついていくなら大丈夫! と思っていたのに、結局は何度かロストしてしまった。「ま、いっかー」と思っていたら、末綱さんは少し先で、ハザードランプを出して待っていてくれた。やさしい。そっか、先導はこういうことをするんだと学ぶ。でも、多分できないからやらない。人と一緒に走るとか、人と一緒に働くとか、足並みを揃えるとか、もしかしたら、そういうことが全体的に不得意なのかもしれない。おかしいな。むしろ得意だとすら思っていた。勘違いしていたのだろうか。自分の無意識の言動、今現在自分を取り巻いているあらゆる状況を俯瞰しておもった。事実だとしたら愕然とする。人ができることができないのかもしれない。しゃべるのが好き。笑うのが好き。一人で運転するのが好き。黙るのが苦手。笑ってはいけない場面で笑いを堪えられない。ずーっと笑ってしまう。人と車を走らせるのがとても不得意。

昨日、ランチをしているときに10代でアルバイトをしていた時の話になった。西新宿の高層ビル群の一つ、アイランドタワーにあった『NEW YORK CAFE』というカフェで働いていたときの話し。時代は1996年、当時わたしは19歳の大学生。 たまたま散歩していて見つけたカフェで、制服がかわいかったことと、お店が小さくて、一人で働けるのがいいなと思った。アメリカのダイナーを意識した店内の雰囲気もセンスが良くて好きで、ここで働いてみたいと思った。程なくしてオーナーが面接をしてくれて、すぐに採用してくれた。オーナーはちょうど一回り上で、ニューヨークが大好き。自分で撮影したNYの写真がとっても素敵で、様々なセンスを教えてくれたひと。テイクアウト用の砂糖やミルクを入れる器を一つ探すのにも、死ぬほど時間をかけるような人で、こだわりのないわたしにはびっくりすることも多かった。幼稚舎から大学まで成城学園で、実家も成城にあって、パートナーは国際線のCAで、と典型的なおぼっちゃまだったオーナー。厳しいところもあったけれど、おもしろい人でなんだかすごく好きで、オーナーの車で一緒に七里ヶ浜に波乗りにいったりもした。西新宿でスケートボードとかもした。「ハワイやカリフォルニアもいいけど、みももそのうちニューヨークの良さがわかるようになるよ」と、よく言っていた。それを楽しみにしてたいた感じで、すごく可愛がってくれた。そのオーナーが、「みもは、褒められると『ありがとうございます』って受け取るところがいいところだね。『そんなことないです』っていう人はおおいから」と言われたことを、わたしはずっと覚えている。びっくりしたから。「謙遜(けんそん)」という言葉が自分の中にないのはなぜなのか。謙遜って、なぜするのか。当時まったくわからなかったし、今もわからない。世の中はわからないことがおおい。「ありがとうございます」が得意、「そんなことないです」が不得意。苦手なことが多いから、苦手を見ない。得意を伸ばす方が、きっといい。だって無理なものは無理なんだもん。