宛名のない手紙を書いて、ボトルにいれて海に流すような、そんな気持ちで今日は書きます。
好きな言葉はたくさんあるけれど、ひとつだけえらんでと言われたら「奇天烈(きてれつ)」と答えたい。
「発展的縮小(はってんてきしゅくしょう)」、と言う言葉をはじめて聞いたのは、確か30代の半ば頃でした。お世話になっていた方が、年齢とともにご自分のお店の規模をちいさくするべく移転され、リサイズしながらも商いを継続させることを、そう言って表現していました。当時のわたしは、なんだか素敵な響きだなあとおもったくらいで、まだまだ体も心も元気印、正直なところ言葉の本質はぜんぜんピンときていなかったです。毎年タイパンツ展をひらき、バーーーっと売って、バーーーーっと縫う。ゼーゼー。そしてまた夏が来る。それを15年続けたわけですが、あれから20年くらいの時がたち、わたしは今年40代最後の年を迎えます。悩みながら、迷いながら、答えはでないのに年ばかりが重なってゆく。そんな中でも一つだけわかったことは、体力は確実に、そして平等に衰える、ということです。とはいえ、好きではじめた仕事で、ときに、好きだったはずが嫌いになりそうな日がいくつもあって、それでもまだ続けているこの仕事が、やっぱり好き。じぶんのためにも、人のためにも、モノのためにも、死ぬまで続けていきたい。わたしは、こんなふうにおもいました。年と共に体力も気持ちも変化をしていくことに、しっかりと目をこらしたい。いつでもじぶんに正直に、無理なく働き続けたい、と。
ウェブサイトをプロの方におねがいしてつくっていただき、三年が経ちました。が、この春でいったん、このサイトはクローズすることにしました。それにともなって、こちらのブログも4月末でクローズします。言葉が降りてこない日は休むことはあっても、決してサボっていたわけではなく、仕事として、できるだけ真面目に、誠実に向き合って書いてきたつもり。仕事といっても金銭が発生するわけではなく、むしろ管理者の方にサイトの運営管理費をお支払いしてまで書いていたわたしは、ほんとに我ながら奇天烈なんです。
個人事業主になって10年以上が経ちますが、仕事はお金だけじゃない。どんなことも、やると決めたらやりたいわたしで、まずやってみて、次に考えて、やりながらまた考えてきました。この日記のような散文も、駄文ではあっても正直に書いてきました。ですから、じぶんがつくった仕事としてちゃんと形にしたく、過去の記事を一旦全てエクスポートして、推敲(すいこう)し、今年、一冊の本にまとめようとおもっています。本って、つくるのにめちゃくちゃ時間もエネルギーもお金がかかるんですよね。知っているのに、でもやりたい。なぜか、奇天烈だからです。クラウドファンディングも決して否定はしないのだけれど、先にオレが先頭をきってつくっちまいたいタイプの性格で、宵越しの金は持たない下町気質の血は、まちがいなく父親譲りです。なのでみなさん、と呼びかけて、果たしてどなたに届くのかわからないのだけれど、本が出来上がった暁(あかつき)には、どうぞお買い上げください。一冊とは言わず、ご家族分でも大歓迎です。なんちゃって。それから、おしらせはもう少し先になりますが、6月からあたらしい場所で、あたらしいことをはじめます。もっとちいさく、もっと目の前の人に届けるような、そんな仕事の場所をつくって、またあたらしい景色を眺めていこうとおもっています。オフラインで、顔を合わせて、膝をつき合わせていきましょう。フリマをやっていた若い頃とちがってまあまあ歳なので、エアコン必須。昨年イベントに出させてもらって、屋外は疲れることを2回で理解したので(あきらめが早い)、ちいさな、屋根のある場所です。
ウェブサイトを作るにあたり、グラフィックデザイナー、モデルになってくれた友人や先輩、カメラマン、メイクアップアーティスト、プロフィールを書いてくれたライター、当時はまあまあ気合を入れて、お金もベットしてつくって、いろんな人に協力してもらいました。みなさんに、心から感謝しています。ありがとう。みてくれた人も、ありがとう。やって良かったし、やらないとわからなかったし、やってわかったので、じぶん、次にゆきます。そんなわけで、このブログはあと一ヶ月半ほどでおしまい。それまでどうぞ、お暇ならみてよね。