じぶんの財産のひとつに、素敵なおとなとの出会い、というのがある。若いころに出会って、もう決して若いとはいえない今となっても、いつでも先輩は先輩として、その背中を見せ続けてくれる。
昨日は<MY CUSTOM STUDIO>の代表をつとめる、松屋さんに会いに神宮前まで足を運んだ。30歳くらいで出会ったとき、松屋さんは40歳だった。ザ・関西人! な松屋さん、昨日もトークがキレッキレでおもしろすぎてずっと笑っていた。飲んでいたアイスジャスミンティーを松屋さんの顔に「ブー!」っと吹き出しそうになり、危なかった。腹筋が鍛えられたランチ。
2007年だったか、夫の切り絵をモチーフにし、シルクスクリーンでTシャツをつくりたいと相談にいったのが最初の出会いだった。20枚とか、それを2柄つくってがんばって40枚とか、確かそのくらいの発注数だったような記憶がある。もっと少なかったかもしれない。今になればわかるけれど、当時の松屋さんにしたら、わたしはめっちゃ発注数の少ないお客さんだったに違いない。加えてど素人な若者だったわけだが、松屋さんはとても親切に対応してくれた。データのこと、プリントするとこんな感じになるよと、コピーした原画を無地のTシャツに載せてイメージさせてくれた。夢しかないくらいにテンションがぶち上がったことを、今でもはっきりと覚えている。
20代から30歳半ばくらいまでは、こちらが若いというだけでなんだか偉そうな大人もたくさんいたけれど、松屋さんはちがった。わたしの中の素敵な大人リストに、すぐにフルネームを書き込んだ人。いっときはご家族でハワイに住んでいらしたこともあって、めっちゃ働いて早々にリタイアされたのかなとおもっていたけれど、今また、フルスロットルで働いていらっしゃる。今は神宮前とニセコの工場を行ったりきたりのご様子。偶然だがこどもがおなじ年なので、部活の話しなんかもできて、不思議な気持ち。
いろいろ話したいことがあったはずなのに、ウルフルズの話にヒートアップしてしまい、それから波乗りの話し、本の話し、音楽の話しなんかもして、とにかくおもしろい話をたくさん聞けた。「なんでそんなになんでも詳しいんですか」と聞くと、松屋さんは「Tシャツつくってきたから」と言った。格好よかった。
神宮前の事務所は、どこで手に入れたんだろうと思うような、みたこともない海外のアートブックが美しく陳列されている。多忙な松屋さんを待っている間、あれこれ手にとってじっくり見させてもらった。聞くと、昔から本が好きで、海外でも本屋巡りをするとのことだった。なるほどなあ、と思わずにはいられなかった。次は家族でニセコにいってみたい。そこでまた松屋さんに会いたい。そうそう。昨日連れていってもらった表参道の<LOTUS>という店、ごはんがとってもおいしかった。古いお店らしい、またいきたい。
松屋さんに会う2時間前に前ノリしていたわたしは、久しぶりに<クラークス>でデザートブーツ、<MoMA>ではずっと欲しかった置き時計、ポストカード、ピンバッチ、本を買ってご機嫌さん。松屋さんの事務所の目と鼻の先にある<オン・サンデーズ>でも、かわいいノートを買った。お店の男性がとても感じの良い方で、スノードームのこと、手帳のこと、いろいろと教えてくれた。確か中学生だったとおもうが、当時から手紙を書くことが好きだったわたしは、ポストカードをもとめて、初めて<オンサンデーズ>にきた記憶がある。姉が教えてくれたのだ。膨大なポストカードに心が躍ったものだが、昨日もその感動はおなじで、色褪せることはなかった。とっても素敵なアドレス帳があり、それをノート代わりに使うんだとお会計のときに話すと、おなじ形で毎年ダイアリーも出ていて、9月頃には店頭に並ぶと教えてもらったので、来年の手帳はそうしようと決めた。布ばりのノートの感触のことや、お店に置いてあっためちゃくちゃ素敵なスノードームは、粒子の小ささが輝きの違いなんだとか、熱心に教えてくれた。口調の熱量で、その人の好き度がよくわかる。
<オン・サンデーズ>の前に足を運んだ<エルメス>で、カシミアシルクのスカーフの良さをお店の方が熱弁してくれた。49歳のお誕生日には間に合わないけれど、50歳の誕生日に、お金を貯めて自分で買おうと思った。そのくらい、軽くて上質でめちゃくちゃ素敵だったから。カラーもドストライクだった。サーフボードとおなじくらいの値段だったし、カシミヤシルクなら年中使える。本当は、手刺繍のハンカチを見にいったのだ。前にお店で見て、額に入れて飾りたいくらい可愛いと思ったので、ほんとうにそうしようと思ってお店に行ったのだが、もう売れていてなかった。でも、柄や色は変わっても手刺繍のハンカチは定番の品で、仕上がれば入ってくるとのこと。確か5万くらいだった気がするけれど、アートだと思えば全然いいし、別に拭(ぬぐ)いたければ手を拭(ぬぐ)たっていいのだ。とにかく、愛のあるものがすき。愛のある人がすき。オール・ユー・ニード・イズ・ラブ、だぜ。本日のブログのタイトルは、松屋さんが好きなウルフルズの曲名です。ええねん!