先週末から、横浜は妙蓮寺にある『本屋・生活綴方』でタイパンツ展がスタート。搬入にいくと、おとーたん(三輪舎の代表、中岡裕介氏のことを勝手にそう呼んでいる)がすてきな看板をつくってくれていた。うれしくてじーっとながめる。「それ、だいじょうぶでしたかぁ?」と中岡さんが声をかけてくれた。その言い方、声のかけ方が、いかにもやさしいおとーたんらしい。展示はおかげさまで盛況で、おとーたんが書いてくれた告知文を読んで(詳しくはお店のウェブサイトでチェックをお願いします)、「僕も涼しいものがほしいとおもって」と言って来てくださった大人の男性もいらした。デニムをお召しだった。そうですよね、と心からおもう。PATRICKのスニーカーをはいていらして、素敵な感じの小柄な方。丈の相談などをしながら、楽しく接客する。他にも、はじめましての方がほとんど。隣駅の菊名からきた、という方が多かったのも印象的だった。夜はスタッフの方と飲み会。笑いすぎてビールを顔に吹きかけそうになった、何度も。こんな場を、そしてネットワークを、おとーたんはコツコツとつくったんだな。その影の苦労や道のりをおもうと、涙が出そうになる。自慢のおとーたん(わたしの方が年上ですが)だ。
翌日はわたしの父のバースデーを祝う会で、高田馬場へ。馴染みの鰻屋で、主役抜きのリモートバースデー会という斬新な会。リモートと言っても、なにも繋いでないので、鰻を食べたい人たちが集まって、鰻を食べる会。昭和の破天荒といえばこちらの方です、という感じだった父も、今やすっかり穏やかな老人となった。パパは今、安心で安全な施設にいて、西新宿の夜景を眺めながら、レコードプレーヤーに針を落としてジャズを楽しんでいる。余生を楽しんでいるというよりも、いつもいつでも、その瞬間を楽しんでいるような人なので、今もそのまま。余生という文字が、パパの辞書にはない気がする。施設はとても親切で素晴らしい場所なのだが、外食はこのご時世なのでまだ色々なルールや規約があり、やむおえず。それでも開催するのがいかにも自由人な小鳥家の集まり。
主催してくれたおにいちゃんは気が利くことで有名で、心優しい人。昔からそう。誰よりも先にお店にいき、パパや施設の方にも鰻の差し入れまでしていた様子。一方気の利かないオレ様は、30分遅刻した挙句、おにいちゃんが間髪入れずに生ビールを頼んでくれていて、「遠くからありがとう」とねぎらわれた。おにいちゃんみたいな人になりたいが、望むだけ地獄を見るのでやっぱりいいや。オレ様はオレ様のままで、末っ子らしく、みんなに可愛がられて生きていくぜベイベー。
一人暮らしをしている母も父ほどではないけれど、すっかり歳をとったので、宴のあとは一緒に手を繋いでかえる。二人の姉と婿殿やおにいちゃんは、飲みなおすとかで馬場の人混みへ消えていった。あんなに食べて飲んだのに、22時頃突然空腹がおそい、禁断のどん兵衛と一番絞りに手を出してしまう。食べっぱなし、飲みっぱなしのシンクは、翌朝見たらママが全部片付けてくれていた。
翌日は、同級生のSちゃんと吉祥寺でモーニング。まさかの小雨が降ったりやんだり。白いタイパンツの裾が汚れると嫌なので、パジャマにしていたパタゴニア のTシャツとバギーズパンツで、着の身着のまま、駅前に登場。足元はビーサン。雨が降ったら嫌なので、母から借りた傘も持参という謎ないでたち。寝たいのか起きたいのか。海に入りたいのか傘をさしたいのか。でもね、わたくしはアイ・ドン・ ケア・ エニスィング・ アバウトなんですよ。
東京はたのしい。湘南も大好きだけどね。窓の外は今、サーファーたちが狂ったように波とたわむれている。背後からは夫がお皿を洗ったり拭いたりしている音がけたたましい。もう少し静かに洗ってほしい。そんな朝。