一年近く更新していなかったみたい。この先もそういうことがあってもいいや。
10月から突然にはじまったレンバイ通い。『SAUCE the corner』という店で、お弁当やお惣菜やカゴを売る日々。飲食とは無縁できたけれど、鮮度の良い仕事は悪くない。ストックを持てない難しさはあるけれど、毎朝お弁当を運んでくる料理人の姿を見ると、毎日同じことを思う。彼らの作品を頑張って売りたい、届けたいと。みんな作家で、みんなアーティスト。いったい何時に起き、何時から手を動かしているのだろう、頭が下がる。素材の選び方、味付け、盛り付け、名づけ、クリエイティブで、個性がある。
昨日は横浜で久しぶりに会う友人とランチ。彼女の話を聞く。わたしの話も聞いてもらう。最後は映画、音楽のはなし。三人でわらう。いつでも、最後はどうでも良い話がわたしたちを救う、撫でてくれる。全部を笑いに変えていく。そうすることしかできないし、そうすることがきっと一番いい。友達っていい。おばさんはいい。歳をとってよかったね、と言いあう。
夕方からは、同じく横浜でドキュメンタリーを観る。『リペア・カフェ』という、アムステルダムのリペアのドキュメンタリー。ひとりでいったのだが、会場で元職場のパタゴニアスタッフに会う。男性ふたり。顔を見た瞬間、わーと思い、「ここに座って!」と手招きした。遅れてやってきたもうひとりの人はストアでお世話になった上司で、最後、ちゃんと挨拶すらできなかった。困っていたとき、迷っていたとき、たくさん話をしたし、わたしの気持ちをよく理解をしてくれた人。元気かなと気にしていたから「みもちゃーん!」と笑顔で言ってくれて、もう、それだけで全部伝わっていたんだと、これでよかったんだ、これがよかったんだとおもえた。三人で再会を喜び、映画に感銘を受けて、仲良く電車でかえるおじさんふたりと、おばさんがひとり。またそのうち会おうねって別れる。気持ちのいいバイバイ。ドキュメンタリーの内容は素晴らしく、ディレクターはまさかの29歳、アムステルダムに移住したそう。若く、行動力をともなう素晴らしい才能に、元気をもらったわたしたち。
先日はドライブがてら茅ヶ崎の『BLANDIN』へ。レコードを聴いて、本を眺めて、ときどき店主のひろみさんと話す。ひろみさんとは、いつ会っても波長が合う。海外に住んでいる友達みたいな感じで、時空を超えて話ができる。目の前には見えていない景色を、それぞれの心の中で一緒に見ている感覚。ひろみさんの始動しそうなバンドの話、ニーナ・シモンの曲をピアノで弾きたいというわたしのはなし。いつかのオープンマイクのはなし。ひろみさんがレコードの棚からジャケットを取り出して、”Here came the sun”をかけてくれた。オリジナルのビートルズではなくて、ニーナ・シモンのカバーのほうを。大好きだった家族が天に召され、しばらく実家にかえっている友人をおもう。キツかったじぶんの過日をおもう。レコードはやさしい。いつも、なにも言わずに静かに待っていてくれる。そういうものが好きだし、そういう人が好きだ。じぶんも、そんな存在になれたなら。
さて、今日もこれからレンバイへ。晴れるといい、売れるといいな。