とにかく朝に弱い娘で、目覚ましは起きるためではなく、止めるためのものだと思っている様子だ。「鳴ってるよ、鳴ってるよーーーーーー!!!!」とまずわたしが声をかける必要がある、果たして目覚まし時計の意味があるのか謎である。けれども毎晩必ずセットして眠りにつく娘は、どうやら懲りないタイプなのかもしれない。
先日、どうせ起きないのだしと思って、朝からスピーカーで音楽を流してたら、娘がムクっと起きてきた。「ママの音楽のほうがおきられるかも」、という。へーと思い、以来この作戦でいっているのだが、比較的打率高めで推移している。数日前は大瀧詠一の『A LONG VACATION』というアルバムを頭から流してみたのだが、やっぱり起きてきて、一曲目の『君は天然色』のイントロを、「ワクワクする感じのイントロだね、こういうのだいすき」と言った。起床効果、絶大であります。
最近はウルフルズ一辺倒のわたしなので、昨日は朝から『笑えれば』を流してみた。娘は、以前お友達から教えてもらったらしく知っていて、「これ、いい曲だよね」と言った。『笑えれば』のあとは、朝ごはんを作りながら『愛がなくちゃ』、『暴れだす』、『それが答えだ!』、『ええねん』とソウルフルなナンバーをかけ続けていたら、「ママは最近、はげしいのが好きなんだね」と言われた。そうなんです。
日中に仕事を済ませて、おそい午後は鎌倉の<POMPONCAKES GARE(ポンポンケークス・ギャレ)>へ。友人の岡本果倫(おかもと・かりん)ちゃんの展示を観に。初日だったし、ひとえにカリンちゃんの人柄と作品力だとおもうが、とても混雑していた。もうすこしじっくり見たいので、期間中にまた足を運びたい。<ポンポンケークス・ギャレ>に足を運ぶのはこれが3回目。オーナーの立道嶺央(たてみち・れお)さんも店頭にいらしたので、ご挨拶をする。とてもうれしかったことは、わたしの著書『Sunny Side』(2021年3月11日発行)を読んでくださっていて、しかもしっかり読み込んでくれていたのが、伝えてくれた感想でよくわかったことだ。お店にも置いてくださっているとのことで、「若い人が手に取ってくれてます」とも伝えてくれた。すごいなあとおもったのは、お店を経営しながら、家族を養い、スタッフにお給料をはらい、さらに自(みずか)ら店に立ち、お客様のわずかな同行もチェックしていることだ。じぶんは全部できない気がする、頼まれてもいませんが。人と比べていいことはひとつとしてないので、ただただ、賞賛と尊敬の気持ち。
仕事って、待っていないで見つけるか、つくるしかないのだ。『Sunny Side』を書くことはわたしにしかできない仕事だったし、できたら若い子に読んでほしいとおもって当時命懸けで書いたので、昨日は発行から五年越しで、ほんとうにうれしい感想をもらえた。素人だったからわからないまま進めて、めちゃくちゃお金もかかったけど(60万くらいだった記憶)、やっぱり振り切ってよかった。時間が経つほど、より一層にそうおもう。当時も事業資金に余裕があったわけではないけれど、クソみたいなものを作品として後世に残したくないと思って決心したのだ。素敵な装丁にしてくれたデザイナーの川畑あずささんと、写真を撮ってくれたビアフレンズの杉江篤志(すぎえ・あつし)くん、鬼かとおもうときもあったが、あめとむちで引っ張ってくれた編集者・中岡祐介(なかおか・ゆうすけ)さん、高校の同級生で校正者の牟田都子(むた・さとこ)さんにはあらためて感謝。
そうだ。途中、若いスタッフの女性も声をかけてくださった。ブログを読んでくれている方だった。感謝。若いって、もう生きてそこにいるだけでいいですね。なんだか働いているみんなの笑顔が輝いてみえた(実際に若い人は肌のはりが違う)。みんな、頑張りすぎずに頑張ってください。若い人に言えることはなにもないけれど、ひとつ挙げるとすれば、おばさんになると、肌は衰えるけれども、楽なこともたくさんあるということです。最近同世代の女子にあうと「なにをするにも『めんどうくさい』が先に来ちゃうよね〜」と言っている人がおおく、分かりみが深すぎて、腹を抱えて笑いあってます。
帰宅して、次の本のことを考えている。前回もお世話になった印刷会社<イニュニック>さんに電話をし、次はこんな感じのページ数で、こんな装丁で、こんな雰囲気の日記本を作りたいのですが、まずは見積もりだけでも先に知りたいですと伝える。電話口の担当の方が、「ことりさん、それはいちばん高いタイプの製本になります」と言われて、ずっこけてしまった。妥協案としてこんなやり方も、こんなやり方もありますよ、と丁寧に説明してくれた。コロナでギャラリーを閉じて以降、近年売り上げが右肩下がりのわたしだから、電卓を叩いて冷静に、ちゃんと考えないといけない。しかし、妥協するくらいならなにもやりたくない。いらないものはタダでもいらない。まあいっか、っていつもすぐおもうのに、ものづくりだけはおもえない。頑固な職人なのかもしれない。仕事、それは作るもの。とにかく、初夏に向けてタイパンツを縫うべし。そして売るべし。みなさま、どうぞご贔屓に。