母の家にいた週末、LAに住む叔母に国際電話をした。母は妹で叔母は姉で、ふたりの姉妹は長電話がだいすき。
先日、ちょっと面白いことがあった。叔母は独身なので普段は一人暮らしだが、その日はめずらしく来客がいた。13歳の女の子。誰かと聞けば、わたしの従兄弟のお嬢さんだった。鹿児島から一人で、しかも初めての海外。おじいちゃんのおねえさんに当たる、叔母の住むサンタモニカへやってきたそうだ。なんてチャレンジャーなの! おばさん(わたし)と気が合いそうだわと思い、電話を代わってもらう。はじめてはなすYちゃんは、想像していたよりもうんとちいさな声で、静かな少女だった。「アメリカ楽しい?」と聞くと、「はい」としっかり返事をした。わたし自身も、16歳のときに叔母の住むそのアパートメントに一人で渡米した話、それが初めての海外だったこと、そこから海外が大好きになったことなどをあれこれ話す。そのやりとりを聞いていた娘が、「代わって代わって!」と言うので、今度は電話を10歳に代わる。何を話すのかしらと思っていたら、「こんにちは。さっき話していた人の、娘です。名前はニモです。わたしもふたりの流れを受けて、アメリカに行こうと思います!」と勝手に宣言していた。ウケる! Yちゃんは全然話さない静かな女の子なのかと思っていたが、10歳と13歳は会話もそこそこ弾んでいた様子、あれこれ話していた。近々、鹿児島で会おうねと約束をする。
すごいなと思うのはパワフルな叔母で、「やりたい! やってみたい!」を受け入れてくれることだ。明日はアナハイムのディズニーに行くのだと言っていた。「みもちゃん、今、ディズニーのティケット(TICKET)いくらだと思う? 149ドルよ! パーキングは、30ドルくらいはすると思うわ」と叔母。経済感覚が優れており数字にも強く、現役の美容師なので頭の回転がはやい。
渡米して52年。未だ現役で働いている叔母の座右の銘は「ライフ・イズ・ギャンブル」。アドベンチャーなんて言わない。甘いだけではない人生を、アメリカで半世紀以上もひとりで歩いてきた人。大好きだよ。ずっと長生きしてね。