修理品の受け渡しその他もろもろで、写真家の杉江篤志(すぎえ・あつし)くんの家へおじゃましたのは昨日のこと。その前に、杉江くんから聞いていた町田の『NOISE』でモーニングをたべる。とっても好きな感じの店だった。2時間ほど長居するあいだ、常連とおぼしき人が次々とやってきては去ってゆく。入店から退出まで、すべての流れをひととおり眺めていた。モーニングのお客さんが入れ替わり、さあ、ランチタイムがやってきましたよ、という波に乗って杉江くんも登場。モーニングの時間帯は静かだったBGMが、11時35分からボリュームが上がって、ホールの人もそこからひとり増えたんだよ、ポイントカードをもっている人はレジで見せると10%オフになるみたいだと、おしゃべりスイッチがはいり、ひと通り喋り倒す。音楽のボリュームがおおきくなったことに気がついたのは耳ではなく、自分の足が揺れたときだった。組んでいた足がリズムに乗ってポンポンとはずんで、「あ、音がおっきくなった」と気づいた。聴いたことのある好きなジャズのナンバーだったので、得意のシャザムで検索すると、ボビー・ティモンズの『Moanin’』とでた。モーニングみたいとおもったけれど、「モーニン」は「うめき声」という意味だと知った昨日。
杉江くんの運転する車で新築(というほど最近でもないかもしれない)の杉江ハウスにおじゃまする。建物にそこまで興味のないわたしだけれど、山の中の小屋(そんなにちいさくはない)のようで、庭の緑やとおくの借景がとても目に気持ちよく、中にいるのに外みたいな居心地のよい空間だった。庭にはシンボルツリーのような栗の木があった。屋根を越すようなサイズではなく、どちらかといえばまだちいさめな栗の木なのだろう。けれど、枝ぶりが自由奔放に育っていて、それがなんとも杉江くんの家らしく、彼の家族のあるがままの姿を表現しているようで、とても印象的な木だった。新築祝いにシャレでおくったハートランドのビールワンケース、そこに熨斗(のし)だけつけて贈ったのだが、実物をみて、斬新すぎてわらう。熨斗(のし)をつければいいってもんじゃないんだよと、教えてあげたいようなチャーミングなビジュアルだった。あげたハートランドをじぶんも3本のんで、レコードを聴いてたのしい午後。呑み進めていくうちに、パーマをかけて髪を伸ばしている杉江くんが、だんだん昭和の松田聖子ちゃんにみえてきたり、Tシャツの色とかボブディランのパーマとかあとはもう忘れてしまったが、どうでもいい話をおもしろがってしゃべり合い(杉江君は呑むとよくしゃべる)、散々ウケていたら帰宅時間が遅くなってしまった。時刻をしらせてくれなかった杉江くんがわるい。家族に謝りのラインを入れて、夕飯は鎌倉のサイゼリア集合にしてもらった。引き続きわいわい呑んで食べて、なんだかんだで、オールオッケーなフライデー。