この連休がお休みだったサーファーは、おおあたりの三連休。日曜日は久しぶりに夫と波乗り。基本的に海は一人で行くのが好きなので、人と波乗りすることは稀。途中で板を交換できるのはたのしいけれど、上がりたいときのタイミングもちがうし、なんとなく様子をみたりして。綺麗好きな夫、レイジーなわたし。板の洗い方、車への乗せ方、ウェットの脱ぎ方、ビーサンの脱ぎ方、全部が対極。どっちもちいさなストレスを小脇に抱えているに違いない。海からあがって一旦帰宅。間髪入れず、逗子で初開催のオクトーバーフェストへいく。「歩いていく?」、「運動したからバスにしよう」、「そうだね」、即決の中年夫婦。海もオクトーバーフェストも「ゆっくりどうぞー」と娘はいう。親とは行動を別にしたがるようになったのはいつ頃だったか。4年生か、5年生か。「いかない」と言われて、最初は寂しいとおもったけれど、ちいさな雲はさっと消えた。別の空を探したから。結果、今は二人チームに元通りした感がつよい。「案外スムーズだったね」と、バスに揺られながら話す。来春はまた久しぶりにヨット(二人乗りのディンギー)にも乗ろうとか、夫は機会があれば弓道もしたいと言っていた。へえ。悪くないかも。
オクトーバーフェストで飲みすぎてしまい、翌日は撃沈のわたし。都内に行く予定もやめ、午後からは海にも入らず昼寝。昼寝から目覚めた早い夕方、ようやく復活して、娘のリクエストだった髪をすく。家族の髪は、いつもわたしがカットしている。美容院行けば? というのだが、ふたりともわたしのカットを気に入ってくれているので、ならばと仰せのままに。「こんな景色の美容室ないよねえ、あの人サーフォンうまいねえ!」なんて、娘は無邪気な様子で海を眺めて言う。「本当だよね。でも、あの人たちみんなめっちゃうまいから」とわたし。そうこうしていたら夫が波乗りから帰ってきた。娘が「今週のMVPだね」と言った。「そんなのあったの?だったらママももう少し頑張ったなあ」と言いながらも、手は娘の髪をすいていく。娘はこの連休中、パジャマでだらだらした日が多かったからか「ママが二番だね」、とのことだった。MVP、なんて言葉をいうのかあ。言い回しや伝え方、表現をいろいろ覚えてきたんだなあ。じぶんの言葉を持ってきた感じ。
娘はいつも、じぶんでおもうじぶんの正解をにぎっている。全てのやる気スイッチも、じぶんでにぎっている。人には譲らなないし、たくすこともない。船で舵を握る船長のように。「言うことを聞かない」ではなく、はなから「言うことを聞いていない」タイプの女の子。パジャマで落武者のようなオフの日と、オシャレしてキリッとポニテ(ポニーテールを彼女はこう呼ぶ)でオンの日が、別人のようで愉快。決断がはやくて、見た目とは裏腹に頑固なところもそうじて愛らしい船長は、今日も舵をとって学校へ。娘はわたしの永遠の Most Valuable Player。