昨日の夜、NHKの『SONGS』という番組を家族で観ていた。ミセス・グリーンアップルが好きな娘が喜ぶかなと録画しておいたのだ。「ギターうまいね」、「作詞作曲なんて、大森さん天才だね」など、おもいおもいに感想を口に出す。途中、「ピアノが弾けたらなあ、かっこいいよなあ」と夫。「ほんとだよねー、でもドラムが似合いそうじゃない?」とわたし。「バンドの話になると、昔からドラムって言われるんだよなあ」、夫が言う。「もしピアノ弾けたら、すごく繊細な音とダイナミックな感じで弾いたかもね〜」などなど。そんな流れから、自然と先日のバンドの話に。「ママは何の楽器?」と娘が聞くので「ママはボーカルとハーモニカだよ。ハーモニカはスティービー・ワンダーに憧れているから吹けるようになりたいの。スティービー・ワンダーは盲目で、ピアノもハーモニカも、歌もうまいんだよ」と、自分のことのように得意げにいう。「わたしたちのバンドは、もう課題曲も決まっているからね」と言うと、「そうなんだー」とあっさり。「シンバルが入るんだけど、タンバリンでも代用できるかな?」と聞くと「大丈夫」と夫。なんだ? 怖いくらいに話はスムーズだった。
先日、家族に宣言するよりも先にBLANDINのひろみさんに、「家族でバンドを組みたいんです」と言ったばかり。「なんて素敵な企画!」とヒロミさんに背中を押され、益々ひとりで盛り上がっていた矢先。ひろみさんには、これまでも数々の宣言をしてきた。「わたし、ニーナ・シモンになりたいんです」と言ったときは、「そうなのね。ことりちゃんの歌声はどんな声なの?」と聞かれたので「ニーナ・シモンとは遠くかけ離れた声です」とわたし。お店でレコードを聴きながら、そんな会話を繰り広げている。ひろみさんもひろみさんで、このバンドのこの曲ならば!と思っている楽曲があるらしい。同じようなテンションで同じような話を、なんどでも繰り広げられる。永遠の少女みたいなひろみさんとの会話は、いつでもふわふわと夢の中を漂っていて、そこはかとなく楽しい。順番は間違えたけれど、声に出すのはやっぱり大事なんだなあ。わたしたち家族の課題曲はゾンビーズの『This will be our year』ってタイトルなんだけど、ほんと、びっくりするくらいピッタリだと思わない?