保育園で出会ったママ友との結束ってエンドレス。全然あわなくても、困ったらすぐにSOSを出し合って、互いの手を差し伸べている。いきなり会話がはじまって急に盛り上がったりもする。パパ友もおおむねおんなじような感じ。小学校のママ友がいないわけではない(ふたりできた)。けれど、最初にLINEでやり取りをして、ずいぶん経ってやっと顔を合わせたりするので、細心の注意を払う。「きちんとした母でございます」みたいな常識をいつでも心に留めて、文章を綴る努力をしているのだ。
先日、逗子市の粗大ごみセンターに電話をかける必要があった。番号を調べるのが億劫だったので、電話履歴の市外局番を見て、「これに違いない」と思って適当にコールしたら、まさかの小学校のママ友の自宅にかかってしまった。娘が昨晩、電話をしていたみたいだった。あまりの珍事件にうけてしまい、「はじめまして、ニモ(娘の名前)の母です。これこれこういうわけで、間違えしまいました。これも何かのご縁です。どうぞよろしくおねがいします!」と伝える。京都出身らしいママ友さん(未だお顔を拝見したことはない)は、すぐさま理解してくれて、「なるほど! こちらこそよろしくおねがいします!」と感じよく対応してくれた。(粗大)ゴミニケーション!
話は変わって保育園のママ友。鎌倉に引っ越してしまった大好きなSさんファミリー。先日、娘がSさんのところにお泊まりしたいというので、「ママも泊まりたい」と主張をゆるめず、4名の女子会が決行された。30代で出会ったわたしたちも、気づけば50がすぐそこに。話題は健康、美容、引き際について、だった。Sさんはフリーのグラフィックデザイナー。「あれもあれも、Sさんが仕事してるんだ!」と後で知ることがあるが、そういうことをあまり語らない。現役感が強いし、いつだってセンスがいいけれど、仕事の引き際は大事だと熱く語っていた。びっくりしたのは、久しぶりにあったら働きながら大学生になっていたこと。あたらしい学びに熱心で、次の道や、手持ちのカードを増やすことを冷静に考えているのだろう。
わたし自身も、アウトドアブランドのリペアの仕事は、ここ1、2年いつも引き際を考えている。目を酷使するので、老眼鏡は手放せない。覚えも悪くなってきた。尊い仕事だと思うが、身体能力を考えると企業でパフォーマンスを高く保つのは、そう長くは無理だろうと自覚している。鎌倉・由比ヶ浜のギャラリーをたたんだときも、引き際を考えて決断した。でも。タイパンツだけは、生涯の仕事として持っていたい。スピードは落ちるかもしれないが、テクニックは高めていたい。本の仕事もそうだ。スピードはかかるかもしれないが、言葉を深めていきたい。歳を取ることに恐れも憂もないが、謙虚に、冒険心を忘れずにいたい。