長尺のものを縫っている。ついこの間まで、3センチ程の世界線で仕事をしていたのに、今は数メートルのものを縫っていて、縮尺の感覚がバグり気味。おおきなものを作るにはスペースもそこそこ必要で、同時に体力勝負なところもある。冬は日没もはやいので、逆算して仕事の開始時間をはやめる。そうなるとパソコンは開かず、ミシンの前へいきがち。いただく仕事はたいていが慣れない仕事なので、集中しているともう日没。そんな感じで1日が終わる。冬はぜんぶが早回し。
仕事のときはネットフリックスをラジオのように流したままにしている。短編のドキュメンタリーが特に好みで、耳で聞いて、夜に英語や日本語の字幕で見返すと、いかに知らない単語を聞き取れていないかがわかり、けっこう勉強になる。最近おもしろかったのは『キルターズ』。アメリカ・ミズリー州の刑務所内で、受刑者の男たちが里子にプレゼントするためにキルトを縫うドキュメント。裁断やミシンを扱うシーンも出てくるので、興味深い。個人的な着目点としては彼らが着ている囚人服。シャツの襟の仕様がシンプルで、再生と一時停止を繰り返してみたりしている。数日前からは『ハウ・トゥー・ゲット・リッチ』というのも流している。リッチ、日本語だと「豊か」を意味する。様々な相談者が出てきては、彼ら彼女らの経済的な問題点、盲点などを心理学的なアプローチを含めて立て直していくような内容。ナビゲーターとしてファイナンシャルのプロが出てくる。どんな暮らしを豊かだとおもうか、相談者たちにまずは紙に書き出す宿題を出すところから話しは始まる。まだ見始めたばかりなのだけれど、ふとじぶんも書いてみようかなとおもい、メモとペンを持ってベッドへ。書き終えてすぐに眠りについたので、翌朝あらためてメモをみる。「おいしいものを食べられること・旅ができること・お風呂にはいれること・好きなイスにすわる・家族と仲良く暮らす・船旅をたのしむ・たくさんはいらない」と書いてあった。好きなイスに座る、というのはしばらく前から作業用にほしいとおもっているイスがあり、そのイスがあればキッチンで腰掛けるときも、ダイニングテーブルで使うときもいいなあとおもっているから。今年結構がんばったし、来年もきっとがんばる。買う、今決めた。今日もこれからミシン。「手を動かす仕事がある」、というのも豊かさリストに書きくわえておこう。