人も曲も、イントロの5秒くらいで相手を好きになるかどうか、たいていはわかる。間違うことはほぼない精密度の高さで。
昨日は打ち合わせで東京へ向かう道すがら、ガッツを入れようとおもいApple Musicでウルフルズの「ガッツだぜ」を流してイヤフォンで聴いていた。「ウルフルズ」と打って、ランダムに流れるようにしていたのだが、往年のナンバーに混ざって、知らない曲が流れてきた。「な、なんだこのイントロはーーーーーー!」とハートを射抜かれ、すかさずスマホをみると「暴れだす」というタイトルの曲だった。静かなピアノのイントロに、ギターの音色がピアノの手をとって繋ぐように、かぶさるように追っかけてきて、やがてドラムが重なり合っていく。なんかもう、恋が走り出してしまった。わたしの中のドラマが始まった感じというか、出会ったそばから泣きたいような気持ちで聴いていると、

ああ神様オレは何様ですか
どうしていつも間違えるのか
悩みは絶えず
大人になれず
眠れぬ夜を
今夜もまた
笑ってごまかす
声も虚しく
飛び出すこともできないままに
ああ胸が
暴れだす 暴れだす
誰かそばにいて

と歌い始めた。「呼びましたか? わたしのことですか?」と思わずにはいられない歌詞だった。好きな曲に出会うと変態的に繰り返して聴くという習性を持つわたし(娘も遺伝してしまいました)、「ガッツだぜ」に背を向けて「暴れだす」をリピート再生して都内へ向かった。ちなみにこれを書いている今も聞いている。わたし、凝り性なんです。
昨日は朝一で、数年前からお取引をさせてもらっているネームタグの会社へ足を運んだ。ザ・町工場な感じだった。担当のHさんとは電話だけのやりとりだったが、誠実でユーモラスで、仕事が早く、好印象を抱いていたのだが、お会いして納得の女性だった。手土産に<DAILY by LONG TRACK FOODS>のレモンケーキを手渡すと「えーーーー! ケーキいただきましたー!」とHさん、事務所にいらした6名くらい、おそらく全社員なのだと思うが、みなさんに感謝された。関西人だと判明したHさん(耳がいいわたしは、電話でもうっすらとイントネーションで気づいていた)、すごくおもしろくて爆笑し、大騒ぎしてしまった。帰り際、「お騒がせしてすみませんでした!」と頭を下げると、全員が起立して「ありがとうございました!」と返してくれた。学校のコントなのかな、というくらいに起立のタイミングがそろっていて、きれいであった。もっとお仕事をふれればいいのになあと、そんな気持ちにさせらる会社だった。仕事がんばろう、ガッツだぜ。
馬喰町・浅草橋エリアをあとにして、散歩がてら人形町まであるく。いつも立ち寄るお惣菜やお菓子などを買い、日本橋までさらに歩く。修理に出したかったハサミも<日本橋・木谷(きや)>に出せたし、昼すぎには帰路についた。中央区、厳密には日本橋の浜町という街が、とても好きだ。父と母が新婚時代にしばらく暮らしていたこともあり、随所に、両親と交わした会話の名残を感じる。明治座、人形焼の重盛、親子丼の玉ひで、すき焼きの今半など、名店が多いが、ローカル感がなんとも落ち着く。老後は浜町に住みたいなと、折に触れておもう。鹿児島と東京のハーフのわたしだから、海も好きだけれど都会も好き。結局わたし、よくばりなんだよね。