曇天の土曜日だった昨日、でかける用事はやめてパジャマでダラダラ。疲れていたのか、お陰で体が整った感じがある今朝。一昨日の金曜日は朝から都内で打ち合わせ。先方から「尾山台の<オーボン・ビュータン>はどうですか」と言われたので向かう。大井町線、人生ではじめてかもしれない。お店は10時のオープン前から人が並んでいた。人気店なのだと教えてもらう。メニューを見るとビールもワインもあった。いただいたラザニアがとっても美味しく、お値段もお安い。また来たい、でも遠いから難しいかも。
デザインの打ち合わせだったのだが、信頼している相手なのでほとんどをお任せ。紙の色味、厚さ、実物を見ながら素材のリクエストを伝える。店を出てから、欲しいなあとおもっている家具をみに<d and department>へ。ソファのない我が家なので、ちょっといいなとおもっていたチェアの実物をみたく、その確認。とってもいい感じだったが、たためるとは言えおおきいかなあというのが懸念点。この先ますます小さな部屋に住みたいわたしだし、決してお安くないので決断はペンディング。
その後は表参道の<NOAH CLUBHOUSE>ではじまった<BIRDS CREATION>のジョージくんの展示へ。サーフボードの芯となる素材をブランクスと呼ぶそうだ。その部分を、マグロが入っていた箱(運び終わっていらなくなったもの)を繋げて削ってつくった、<マグロブランクス>というシリーズのサーフボードの展示。お世辞抜きにすばらしかった。遊び道具をつくる、という少年の発想がそのまま根底にあるおじさんの、腕とセンスが炸裂しまくっていた。
ジョージくんこと小玉譲二(こだま・じょうじ)くんは、わたしがギャラリーをはじめたばかりの9年前、こけら落としで展示をしてくれた。いきなりはじめることになったので、「ギャラリー? 企画展?」状態で困っていたわたしに、「よくわかないけれどみもちゃんのためにがんばるよ!」と言って作品を作ってくれた。「2ヶ月でつくってほしい」みたいな感じで頼んだじぶん。無知ってこわいですね。
ジョージくんはその頃からマグロの箱でボード作る研究を繰り返していた。試作段階みたいな板を借りて、乗させてもらったことがある。その当時の作品はまだ長さも短くて、ボディーボードの進化版みたいな感じだった。ストリンガー(ボードの真ん中にはいっている木)もなくて、フィンもないから波に乗ってもまっすぐ走るのもむずかしく、くるくるまわっちゃったりして(それはそれでおもしろかったけれど)。それからも本業のリペアと並行して、ずっと研究をしているのはなんとなく知っていた。今回完成されたそれらをみて、ちょっと感動すら覚えた。普通にサーフボードだった。7.6フィートくらいの板も、お澄ましした顔で並んでいた。マジかー、ここまで進化させたのかと驚き。遊び道具をつくる精神の、純粋で無垢な光がこれでもかと発光していた。
表参道をあとにして渋谷にもどり、バスで代田へ。<OFO BY INHERIT GALLERY>で開催中の、OGAWA YOHEIさんの展示を見にいく。実物をみてみたいなとおもっていたので、じっくり。繊細なタッチは覗き込んでみるたのしさがあって、近づいてみる。描いた人はどんな人なんだろうなと、そこに本人が不在だと妄想と想像もくわわる。たのしい。<INHERIT GALLERY>はブックレーベルもあって、作家とともに本をつくっていたり、とても興味深い。そんなにお話ししたことはないけれど、オーナーのふじもとさんはとてもいい感じで、どんな経緯で今の人生になったのかなど、一度ゆっくり聞いてみたい。今は都内で二つのギャラリーを運営していらして、あの苦労を少しでもかじって経験している身としては、頭が下がる。頑張っている人、作品、場所に触れると身が引き締まる。そんなこんなで都内を動き回った金曜日と、揺り戻しのようにだらけた昨日。今朝は天気も復活し、波もあるのでこれから夫と海へ。夫は朝から洗濯物を畳んだり干したり、相変わらず忙しそうです。よろしく〜。