前職の仕事で上位に入るうれしかったことは、わかい人たちに出会って共に働けたこと。中でも、関西からやってきたふたり。Rちゃん1と、Rちゃん2。Rちゃん1は兵庫県出身。旦那様の海外赴任に伴って退職し、子どもを二人連れて現在はマレーシアにいる。一見わからないが、きれいな標準語の下に隠しきれぬ関西人気質が見え隠れしていて、おもしろかったり、おそらくいらちなところもありそうで、密かにかわいいなと思っていた。ある日、前髪をぱツンとカットしてきた時があり、「どうしたの?」と聞いたら、「何か変えなきゃとおもって、前髪を切ってみました」と言っていたのが忘れられない。真面目と情熱が混在していて、ラインを送ると熱い返事がびっしり返ってくる。在職中も夏休みは毎年まるっといなくなり、家族で日本中をアクティブに旅していた。旦那様が行動的な人なのかなと思ったが、Rちゃん1もそういうことを楽しめる人なのだろう。たまーに連絡を取り合うのだが、マレーシア生活も楽しんでいる様子。
Rちゃん2は、退職と結婚と同時にオーストラリアへ行った。現在は当初の予定にはなかった大学生になり、将来に向けて勉強をしている様子。Rちゃん2とも、たまーに連絡をとる。とってもいい子で、いつも何かに気づき、そこから学んでいる。LINEの文章も流れるようになめらかで、文才を感じる。家族に愛されて育ち、彼女も家族が大好きなのであろうバックグラウンドが、透けて見えるような子。岸和田のお祭りの時期になると、熱くなっているところがおもしろい。インスタグラムを通じで彼女たちの生き方、暮らしをたのしく眺めている。20代と30代、決断と行動力で羽ばたいている姿がまぶしく、気持ちがよく、清々しい。
レンバイの店番中、退職してしばらく経つAちゃんも子どもを連れて何度か遊びにきてくれた。静岡出身の女の子。今は二児の母で奮闘中な様子。在職中のYちゃんも顔を出してくれた。若いというだけでもうみんな可愛くて、彼女たちを見ていると、自分もこんなに可愛かったのかしらと、つい、過去を振り返ってしまう。湘南に引っ越してきたばかりのあの頃、よくわからないままにいろんな挑戦をした気がするけれど、応援してくれた大人たちがたくさんいた。あの人たちは、こんな気持ちで自分を見てくれていたのかな、なんて思うようになった。
40代の今は若い人たちの姿に学びながら、先輩をみて憧れたり、勉強したり。湘南に住んで20年。20代だったわたしは40代になった。お世話になった先輩たちは当時40代、50代だったので、今まさに自分がそこに立っている。見えなかった反対側の景色を、今ようやく見られた。年をとると忘れることも多いけれど、知ることも多い。40代はキツイこともたくさんあったけれど、後半になって40代の楽しさをやっと、本当にやっと知れた気分だ。50代は、どんなだろう。まだ到底わからない世界で、見たこともない景色がこの先に続き、広がっていくのだろう。