風邪が流行っているらしい。先方の体調不良で打ち合わせが延期になった今日、他でもチラリホラリと耳にする。うがい手洗い、何より休養と休息です。今週は気になっていたことを片付けようと、冬のうちにメンテナンスしたいものをもっていったり。
波乗りでつかうウェットスーツは、子安に工房を構える<m-stance>の長嶋さんにつくってもらっている。首の部分にすこしダメージができてしまったので、そのメンテナンス。見せにいくと、そこまでひどくないからと、ボンドで無償で修繕してくれた。亀裂がはいってダメになったら、首の部分だけまるっと交換するリペアになるそう。ボンドが乾くまで10分位とのことで、そのまま待たせてもらう。お互いにミシンを使って仕事をするので、最新のミシンについて、ほしいミシンについて、熱く盛り上がってたのしかった。長嶋さんは、元気な声がよくとおる気持ちのいいひとで、信頼ができる。
そのまま坂をのぼったところにある、<BIRDS CREATION>の小玉譲二くんのところにも顔をだす。ジョージくんはサーフボードの製造と修理の仕事をしている。いっとき、部屋がたまたま隣だったことで知り合ったのが15年前。オーダーで頼みたいことがあって、その相談。と、先日、北参道の<LABOUR AND WAIT>で買ったバードコール(鳥を呼ぶ手のひらサイズの道具)を見せたかったのだ。ジョージくんならきっとわかってくれるのではとおもったが、わたしの熱量とおなじくらいに一緒にたのしんでくれて、めちゃくちゃうれしかった。おじさんとおばさんがちいさなバードコールを交代で鳴らして、鳥の鳴き声に耳を澄ませるという平和。子安のバーズたちはノリがよく、コールアンドレスポンス、アンサーもたくさんでコールしがいがあった。
予定がぽっかり空いた今日は、鵠沼海岸に店を構える<Philson’s Shoe Repair (フィルソンズシューリペア)>まで車を走らせた。夏に気に入って履いているカンペールのサンダルのメンテナンス。と、何年か前に買って使っていた、処分するか迷っていたイルビゾンテの財布を、やっぱりメンテナンスしてつかうことにしたのだ。濃いグリーンがキレイで選んだし、今買い換えようとおもってもわずかにモデルチェンジをしているから、おなじデザインではない。覚えていないし調べてもいないが、為替の関係や物価高も含め、価格も購入当時とはちがうのではないか。いずれにしても、好きなものは信頼しているプロになおしてもらいたい。そこには時間とお金をいくらでもかけたいわたしなので、今回も全面的にお任せで。レザーはクリーニングや色の吹き付け?みたいな工程も加わるみたいで仕上がりがたのしみ。
フィルソンズの山森さん、あんまり目をあわせてくれないところも毎回嫌いになれず、というか寧(むし)ろ誠実にすらおもえるくらいになっている。靴を見て、靴を手にとって、「そうですよね」って、よく靴に話しかけている。でも、最初にいったときよりもたくさんおしゃべりをしてくれるようになったのと、何年か前にAlden(オールデン)の靴の話をしたことを覚えていてくれた。うれしかった。急に親しくなろうとする感じとか、土足でふみ込まれるのがとっても苦手なわたしなので、このくらいにすこしづつのほうがいい。長嶋さんもジョージくんも山森さんも、それぞれに動きやすそうなおようふくをきていて、じぶんの作業場で手を動かしている。冬なのに半袖だったり、七分だったり。ジョージくんはよく、シャツのカフス部分をマスキングテープでタイトにホールドしている。作業中に袖が落ちてくると気になるのかもしれない。それが絶妙に、彼のスタイルを作り上げていて個性的。みんな実直で、格好つけていなくて、他のだれとも似ていない。そんな彼らを、格好いいなと眺めている。そういうリペアマンたちが、わたしはすごく好きだ。応援しているし、たくさん助けてもらっている。大変なこともおおいとおもうけれど、続けてくれていて、ありがたい。わたしもがんばろうとおもわせてくれる、大切な存在。