今どきの小学生は、音楽の聴き方、調べ方が愉快。TikTokやリールなどで流れる音楽にピンとくると、すかさずママのスマホでShazam(音楽検索できるアプリ)する。洋楽と邦楽の境がなくて、年代も色々。すごく自由だし、音を楽しむってこういうことを言うのだな、という感じ。先日、「ママ、『熱帯夜』ってけっこういい曲だねー』なんて言うものだから、鼻息荒く「ママの青春時代の曲で、『リップスライム』って言うんだよ。他にもいい曲たくさんあるよ、『楽園ベイベー』とか!」なんて答えたわたし。で、そこからずっとリップスライム沼にハマっている。びっくりするくらい完璧に歌える自分。
1990年代に波乗りをはじめて、高校生、大学生は波乗り、ヨットとずっと海通い。当時サーファーはみんな聞いていたのでは?と思うくらい、リップスライムが好きだった。なのに忘れていた。そんな自分が怖い。歳かもしれない。そのあとは海系だとサブライムとかジャック・ジョンソン、ドノヴァン・フランケンレイター、ザ・ビューティフル・ガールズ、ジャスティン・ジェームスとかもよく聴いた。ザ、アメリカだとグリーンデイが大好きだった。ブリティッシュ系だと友達の影響でオアシスとかウィーザーとかも聴いた。スティービー・ワンダーとかにハマるのは、もっともっとあとのこと。90年代は恋することと、海にいくこと、旅することに命をかけていた。そんな日々にBGMのように流れていた曲。だいたいは海にいて、たまに渋谷に繰り出してプリクラ撮ったり、終電ギリギリまで呑んだり、カラオケしたり。ずーっと楽しかったな。今も楽しいけれど、終わらない世界が目の前でスパークしていた。
娘も、子供時代は子供らしく、若者の時代は若者らしく、羽目を外してほしい。振り返ると、当時のあの生活を親はよくうるさく言わなかったなと思う。あっぱれだし、見習いたい。終電で午前様なんてしょっちゅうだった。タクシーで深夜に帰宅して、次の日は二日酔いでつらーい、みたいなドラ娘だった。典型的なダメ大学生。父はそこそこ似たり寄ったりだったけれど、母はいつでも家を守っていて「あらあら、みもちゃん。また飲み過ぎちゃったのね」とか言っていた記憶。あそこからの、今。オレ様は立派な大人になった。自分で自分を褒めてあげたい。