日曜日の午後、夫の楽しみは一つと言っても過言ではない。湘南ビーチFMの『shonan breeze』を聴くこと。DJの竹下由起(たけした・ゆき)さんの選曲が大好きなのだ。車で外出時も78.9mhz(メガヘルツ)、ピクニックに行くにもスマホとポータブルースピーカーを持参してくるくらいに好き。「そんなに好きならメールとか送れば?」と何度か言ってみたが、「僕はつながりたい訳じゃなくて音楽を聴きたいんだよ」と頑なタイプのヘビーリスナーなのだ。
この半年、由起さんは番組をお休みされていた。その間もヘビーリスナーは毎週チューニングを欠かさない訳だけれども、「今週も復帰しなかったね」と言っていた半年、なんだか見ていて気の毒なほどだった。8月の終わり頃だったかな? 娘が「夕方に由起さんの声を聴かないと、日曜日が終わるって感じがしないね」と言っていた。それにはちょっとびっくりした。
『日曜日は夕方6時までテレビは禁止』、これは夫が決めたルール。娘もわたしも、それを従順に守っている。部屋にBGM的に流れる由起さんの声と選曲。17時になると、お父さんはベランダに出てビールを呑む。黄昏ていく空と音楽がワンセットで、娘は日曜日の夕方だと思っていたのかと、なんとも言えない気持ちになった。目にみえない音と言葉が、娘の目に映る風景をつくっていたみたいだ。ラジオって、DJって、なんてクリエイティブな仕事なのかと、感動するら覚える。
昨日の選曲も素晴らしかった。ビリー・プレストンの大好きな『ナッシング・フロム・ナッシング』もかかったし(50年前の曲なんですよ!)、『That’s What I Like』のJazzバージョンもはじめて聞いた。ブルーノマーズのと全然違った。格好よかったなあ。最後の4曲もすごく心に沁みる感じだった。ああ、由起さんがかえってきたなあ、と思う感じの選曲。MFSBの『Manhattan Skyline』も気持ちよかったし、ラストはフランク・シナトラの『It Had To Be You』。戻ってきてくれてほんとうにうれしい。おかえりなさない。