気まぐれと気まぐれが重なって、たまに会う人がいる。三浦に住むTさんは裁縫の師と仰いでいるひとりで、昨日なんとなく会うことに。横須賀中央にある『la grive(ラ・グリーブ)』という店に連れていってくれた。びっくりするくらいのコンパクトなスペースに、ひっくりかえるほどの美味しいケーキとコーヒー。お土産に買ったイングリッシュマフィンもクッキーも、全てが素晴らしかった。女性が一人で切り盛りされているようで、行ったことないけれど、「フランスってこんな感じなのかしら」と思いを馳せてみる。その後Tさんおすすめのお風呂へいき、ご自宅にすこしだけお邪魔してコーヒーとチョコレートをいただく。聞きたい裁縫の質問があり、現物持参でお悩み相談。何を聞いても答えてくれる。「基本はこうなんだけど、わたしはこうしているの」というテクニックまで惜しみない。でも、きっと真似できない。
誤解を恐れすに言うと、Tさんは裁縫オタクだし、命を削って縫っているような人なので、全ての気合が違う。褒めてるんですけど、ヤンキーの覚悟みたいなものを感じる。「先輩についていきます!」って気持ちになる。(わたしはヤンキーや、ギャルがとても気になっているんです。なれないけれどなんか存在自体に興味がある)すごく柔らかい物腰でやさしい人なんだけど、この人を怒らせたらもうアウトです、という凄みを感じるのはなぜなのか。
凄みといえば、夫も凄みが凄い。いるだけでもう威圧感。実際より背が大きく思われるのもそのせいなのかもしれない。貫禄、ハンパなし。ママ友がつけたあだ名は『頭取(とうどり)』ですからね。町で会うとママ友たちから「とうどりー」ってカジュアルに呼ばれている夫。さて、その頭取。今は洗濯物に大忙しで、合間にベランダのプルメリアに水をやってドタバタしている。歩くだけでやたらと音がデカい。動きもデカめ。たびたび、家具の角で足の小指を負傷。もう少し静かに動けないものか。
わたしに足りないもの、それは『凄み』かもしれない。でも、努力して得られるものでもないですよね。足りないところは、身近な誰かにおぎなってもらおうっと。